食品どのタイプのインドの人々が食べています
カレーを生んだインドの食生活 | カレーのルーツ | カレーハウス
宗教上の禁忌から、牛を食べない人、豚を食べない人、ベジタリアン・・が多い国
インド人は信仰心のあつい人々です。その8割はヒンズー教徒で、この人たちは牛肉を食べません。同じヒンズー教でも、宗派によって、牛肉以外ならば何でも食べてよいとか、牛肉だけでなくすべての肉を一切食べない、肉だけでなく魚も食べないというベジタリアン、さらにベジタリアンの中でも根菜類は食べないなどさまざまなタイプがあり、食べるものがあるのだろうかと思うほど禁忌の多い宗派もあるようです。
こうした肉についての禁忌が多く(とくに禁忌のない人でも、一般的に肉料理は週に1、2回程度だそうです)、野菜中心の食生活の中では、豆は貴重なたんぱく源、インド料理ではさまざまな種類の豆がとてもよく使われています。動物たんぱくをとらずに豆をたんぱく源とするという点では伝統的な日本の食事に似て(日本の場合は大豆中心でしたが)います。さらにインド料理では、豆とともに、やはり脂質・ビタミンに富むナッツ類をよく使います。
5千年前から伝わる伝承医学「アーユルヴェーダ」による健康管理
インドには、「アーユルヴェーダ」という5千年も前から伝わる伝承医学があり、最近は日本でも健康管理のための1つの考え方として一部の人に注目されつつあります。
イギリス料理tandは彼らの食糧を準備する方法「アーユルヴェーダ」とは「アーユル=生命」「ヴェーダ=知恵・科学」つまり生きるための知恵、生命の科学といえましょうか、病気を治療するだけでなく、人間が生まれてから死ぬまでを、いかに肉体的、精神的に健康に過ごせるかを教える医学なのです。
「アーユルヴェーダ」は、人間の体を小宇宙とみなし、そこには3つの機能(ドーシャ)、カパ、ピッタ、ヴァーダがあると考えます。この3つのドーシャを食べものについてみると、 下記のようになります。
カバ | 物質を結合し安定させる働き→唾液などで食べものに粘りを与える働き |
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ピッタ | 物質を変化させ燃焼させる働き→胃液などで消化する働き |
ヴァーダ | 運動エネルギーの働き→口から肛門まで運ぶ働き |
そしてこの3つのドーシャがバランスよく働いている時は健康で、バランスが崩れた状態が不健康または病気というわけです。
ヘブライ語でピザを注文する方法「アーユルヴェーダ」の医学ではこのバランスを取り戻すためにスパイスなどの自然の薬草を使って治療しますが、まずバランスが崩れないように、崩れかけたバランスを早いうちに取り戻す、それがインドのスパイスを多用した食生活といえましょう。インドの料理がスパイシーなのはおいしさや楽しむためだけのものではありません。
このようにみると、医食同源などの中国の漢方医学とも共通する部分が感じられますし、さすが世界4大文明発祥の地、先人の知恵には頭が下がります。
北、南、東、西で食文化は異なっても、スパイスの重要性は共通
インドは日本の約9倍の広さの国土に10億の人が住む、25の州からなる連邦共和国です。民族数も多く、それぞれの独自の文化がまだ色濃く残っています。言葉は国の公用語はヒンディ語ですが、州ごとの公用語も多く、方言も含めると大変な数になるといわれています。
食文化も地域によって異なり、例えば北は小麦粉=パン(チャパティやナンなど)中心で、料理の味は濃厚(ちなみに日本のインドレストランは北インドの料理が多いそうです)なのに対して、南はパンよりもご飯中心で、料理は北に比べると辛くて、汁けが多い。東はやはり米が中心で、魚料理が多いのが特徴でインドの中ではもっともバラエティに富んだ料理が食べられる地域。西は野菜料理とチャパティ。ただどの地域でもスパイスが欠かせないという点は共通で、サラダから、飲みもの、デザートに至るまで、すべての料理にスパイスは使われます。
スパイスは適材適所、日々の気候や家族の健康状態でその使い方を調節
私たち日本人は、基本的にスパイスにはあまりなじんでこなかったせいもあって、スパイシーな料理というとどうも十把ひとからげでイメージしがちですが、そんなことはありません。スパイスの歴史の長いインドでは、毎日の家庭料理で、野菜、肉、魚などそれぞれの素材や調理法に合わせて、実にうまく使いこなされています。
また同じ料理でも、その日の天候、食べる時間帯、家族の体調、またその時の献立によって他の料理とのバランスなどによって、使うスパイスをちょっと変えたり分量を調節したり。先のマサラを作る場合も、材料のスパイスを少し変えたり分量を調節するという「技」も駆使するようです。
また調理の際のスパイスの扱い方も、ホールのまま油で熱したり温めてからつぶしたり、香味野菜と合わせてすり混ぜてペースト状にしたり、何種類かと混ぜてパウダーにしてふったりと、料理によって使い分けています。ある意味では、家庭で調理を担当する主婦は、かなりの料理のベテランであり、また健康意識も高いといえましょう。
こうした技術や知識は代々母から娘へと伝えられてきましたが、最近は、インドでも都市部では仕事をもつ主婦が増えており、商品として包装されたスパイスを買ったり、市販のマサラを利用する人も多くなってきているようです。
インドで唐辛子が使われるようになったのは16世紀以後
インドの料理は、決してすべてが辛いわけではありませんが、西欧の料理などに比べるとやはり圧倒的に辛い!唐辛子(レッドペパー)は欠かせないスパイスの1つですが、長いインドの食の歴史の中では唐辛子の登場は比較的最近のこと。
元々唐辛子は中南米原産で、コロンブスがアメリカ大陸を発見した時にみつけ、ヨーロッパに持ち帰ったものです。その後どのような経路でインドに渡ったのかははっきりとはわかっていませんが、コロンブスのアメリカ大陸発見(1492年)以降であることは確かです。それ以前は、辛み付けの中心は、ペパーとマスタードでした。
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